CoinbaseとRobinhoodが目指す「なんでもアプリ」化の背景と、資産管理で気をつけたいポイントを解説します。
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最近、CoinbaseやRobinhoodといった大手金融サービス企業が、次々と「株も暗号資産もひとつのアプリで完結させる」という方向に舵を切っています。これまでは「株は証券会社」「暗号資産は取引所」と、使うサービスがはっきり分かれていました。ところが今後は、ひとつのアプリの中で両方を扱えるようになっていきます。
便利になる一方で、「なんとなく便利そうだから」という理由だけで新しいアプリに資産を移してしまうと、後から「この仕組み、どうなっていたんだっけ」と戸惑う場面が出てくるかもしれません。今回は、この動きの背景と、押さえておきたいポイントを整理していきます。
取引所・証券会社・ウォレットの境界が曖昧になる

これまでの一般的な流れは、取引所で暗号資産を購入し、必要に応じて自分のウォレット(暗号資産を保管しておく財布のようなもの)に移す、というものでした。株であれば証券会社の口座で売買し、証券会社がそのまま資産を管理してくれる形が一般的です。
ところが最近は、この境界線がどんどん曖昧になっています。ひとつのアプリの中で、株も暗号資産も、決済も、SNS的な機能までも完結してしまう。そんな「なんでもアプリ」が各社から相次いで打ち出されているのです。
背景にあるのは、各社の危機感です。自社のアプリを「最初の入口」にできた企業は、その後のユーザーの取引や情報収集の主導権を握りやすくなります。逆に言えば、入口を他社に取られてしまうと、そのユーザーとの接点を失ってしまう可能性が高いということです。だからこそ各社は、機能を囲い込む方向に動いています。
それぞれが目指す「なんでもアプリ」

この流れを象徴しているのが、CoinbaseとRobinhoodの動きです。
Coinbaseはもともと、アメリカ最大級の暗号資産取引所として知られてきた企業です。ビットコインやイーサリアムなどをスマホアプリで簡単に売買できるサービスとして広く使われ、2021年にはナスダック市場に上場しています。近年は自社のブロックチェーン「Base」を運営し、ウォレットアプリを「Base App」として、SNSや決済、取引機能まで統合した形に作り変えました。さらに、株式やコモディティ、予測市場まで扱う「エブリシング・エクスチェンジ」という構想を掲げています。
一方のRobinhoodは、もともと株式やETFを手数料無料で売買できることで人気を集めた証券取引アプリです。スマホひとつで気軽に投資を始められる操作性が若い世代に支持され、アメリカの個人投資家層を大きく開拓しました。近年は自社のブロックチェーン「Robinhood Chain」を立ち上げ、株式をトークン化(株式の価値をブロックチェーン上のデジタルなデータとして発行し直すこと)することで、通常の株式市場が閉まっている時間帯でも売買できる仕組みを整えています。
出発点はまったく逆です。Coinbaseは暗号資産の世界から出発し、株や決済まで取り込もうとしている。Robinhoodは株式の世界から出発し、暗号資産やブロックチェーンまで取り込もうとしている。それぞれ違う場所からスタートしながら、行き着く先は同じ、「ひとつのアプリであらゆる資産を扱えるようにする」という方向に向かっているわけです。
なお、こうした仕組みの多くは「レイヤー2」と呼ばれる技術の上に作られています。これは、大本となるブロックチェーン(Ethereumなど)の処理を補助する形で、取引をより速く、より安く処理できるようにする仕組みのことです。CoinbaseのBase、RobinhoodのRobinhood Chainも、いずれもこのレイヤー2の技術を使って作られています。
また、この手の記事では「オンチェーン」という言葉もよく登場します。これは、取引や資産の記録がブロックチェーン上に直接刻まれている状態を指す言葉です。銀行の帳簿のように、特定の会社のサーバーだけで管理されているのではなく、ネットワーク上の記録として誰でも確認できる形になっている、というイメージを持っておくと理解しやすいはずです。CoinbaseやRobinhoodが「なんでもアプリ」を目指す背景には、こうしたオンチェーンの仕組みを、より多くの人にとって身近なものにしたいという狙いもあります。
資産が分散すると管理の手間が増える

便利なアプリが増えること自体は、悪い話ではありません。ただ、選択肢が増えるということは、それだけ資産の置き場所が分散しやすくなるということでもあります。
あるアプリでは暗号資産を保有し、別のアプリでは株式やトークン化された株式を保有し、さらに別の取引所でも取引をしている——という状態になると、「結局いくら儲かっているのか、損しているのか」を自分で把握するのが一気に難しくなります。特に暗号資産は、取引の回数が多くなるほど損益計算が複雑になりやすい性質があります。
PR:こうした複数のサービスをまたいだ資産管理の悩みに対しては、損益計算を自動化してくれるツールという選択肢もあります。たとえば「cryptact」は、複数の取引所やウォレットの取引履歴をまとめて取り込み、損益を計算できるサービスです。資産の置き場所が増えてきたと感じたタイミングで、こうしたツールを検討してみるのもひとつの方法です。
今から「仕組みの違い」を知っておく
株の取引と暗号資産の取引では、リスクの性質や税金の扱いが異なります。暗号資産は価格変動が大きく、短期間で大きく値上がりすることもあれば、その逆もあり得ます。また、トークン化された株式のような新しい仕組みは、まだ制度や運用面で発展途上の部分も多く、通常の株式取引とまったく同じ感覚で扱えるとは限りません。
さらに、こうした「なんでもアプリ」の中には、複数の暗号資産や株式を短期間で頻繁に売買できる設計になっているものも増えてきています。取引のハードルが下がるということは、リスクの高い取引にも気づかないうちに手を伸ばしやすくなるということでもあります。実際、新しいブロックチェーン基盤が立ち上がった直後には、値動きの荒いミームコイン(明確な裏付け資産を持たない、話題性主導で取引される暗号資産)の取引が急増したとの報告もあります。
便利さが増えるときほど、「自分が今、何を、どういう仕組みで買っているのか」を理解しておくことが大切になってきます。分からないまま流れで資産を移してしまうと、思わぬ場面で戸惑うことになりかねません。
まず何から始めればいいか
CoinbaseやRobinhoodのような大手企業が「なんでもアプリ」を目指す動きは、今後さらに他の企業にも広がっていく可能性があります。だからこそ、今のうちに次の2点を意識しておくと安心です。
ひとつは、自分が使っているアプリが、今どんな機能を持っているのかを定期的に確認すること。いつの間にか新しい取引機能が追加されていた、ということも珍しくありません。アップデートのお知らせをなんとなく読み飛ばしてしまう人も多いと思いますが、資産を扱うアプリに関しては、一度目を通しておくと安心です。
もうひとつは、資産の置き場所が増えてきたと感じたら、早めに管理方法を整えておくことです。取引のたびに手元のメモやスプレッドシートで記録していくのは、慣れないうちはかなりの手間になります。
PR:cryptactのような損益計算ツールを使えば、複数のサービスにまたがる取引をまとめて把握しやすくなります。まずは自分がどのサービスをどれだけ使っているか、一度棚卸ししてみることから始めてみてください。
なお、どのアプリを使うにしても、パスワードの使い回しを避けたり、二段階認証を設定したりといった基本的なセキュリティ対策は変わらず大切です。「なんでもアプリ」は便利な分、ひとつのアカウントに多くの資産が集まりやすくなるため、こうした基本対策の重要性はむしろ増していくと考えておいたほうがよいでしょう。
まとめ
CoinbaseとRobinhoodは、出発点こそ違うものの、どちらも「ユーザーの最初の入口になる」ことを目指して「なんでもアプリ」化を進めています。株も暗号資産も一つのアプリで完結できる便利さの裏側には、資産管理が複雑になりやすいという側面もあります。新しい仕組みが広がるタイミングだからこそ、自分が使っているサービスの中身を、一度立ち止まって確認しておきたいところです。
本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。また、暗号資産は価格変動が大きく、元本が保証されない金融商品です。取引を行う際は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。
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